栄養成分表示の読み方入門
栄養成分表示とは
包装された加工食品の多くには、「栄養成分表示」の枠があります。食べたものを記録したり、PFC バランスを計算したりするときに、手がかりになる情報です。この記事では、消費者庁の資料にもとづいて、表示の読み方の基本を説明します。
計算のしかたそのものは、PFCバランスの計算のしかた(例つき)で説明しています。
表示される項目
消費者庁の説明では、容器包装に入れられた一般用加工食品などには、次の項目を、この順で表示することになっています。
- 熱量(エネルギー)
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量(ナトリウムの量を、食塩に換算した値)
このほかに、飽和脂肪酸や食物繊維などが書かれていることもあります。これらは、表示が推奨されている項目です。
「何あたり」の値かを確かめる
表示の値は、「100g あたり」「1 袋あたり」「1 食分(○g)あたり」など、商品によって基準になる量が違います。いちばん最初に、どの量あたりの値なのかを確かめます。
たとえば「100g あたり」の表示で、実際に食べたのが 1 袋 60g なら、表示の値に 0.6 を掛けた値が、食べた分の目安になります。
1 個の重さに多少のばらつきがある食品では、「1 個(○g)あたり」と書いたうえで、枠の外に「1 個の重量にばらつきがあります」といった補足が書かれていることもあります。
表示の値には幅がある
表示の値は、実際に分析した値とまったく同じとは限りません。
許容される差
消費者庁の「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第6版」(令和8年10月)によると、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウムなどでは、実際の値が表示の値のプラスマイナス 20% の範囲に入っていればよいことになっています(食品表示基準 別表第9)。含まれる量がごく少ない食品については、別の決め方(g や kcal の幅)があります。
「推定値」「この表示値は、目安です。」
分析ではなく、計算などで求めた値を表示するときは、枠の近くに「推定値」や「この表示値は、目安です。」などと書くことになっています。こうした文言がある場合は、値が目安であることを前提に使います。
どちらの場合も、表示の値は記録の手がかりとして十分に役立ちます。ただ、きっちりした値ではないことを知っておくと、数字のわずかな違いに振り回されずにすみます。
表示が省略される食品
すべての食品に表示があるわけではありません。同じガイドラインでは、次のような場合に表示を省略できるとされています(いずれも条件があります)。
- 容器包装の表示できる面積が、とても小さいもの
- 酒類
- 栄養の供給源としての寄与が小さいもの(コーヒー豆、茶葉、スパイスなどが例として挙げられています)
- 日替わりの弁当など、原材料がごく短い期間で変わるもの
- 小規模の事業者が販売するもの
表示がない食品を記録するときの考え方は、外食・コンビニでの栄養成分表示の使い方で説明しています。
「高たんぱく」「低脂質」などの表示
商品の包装には、「たんぱく質たっぷり」「低脂質」「ノンシュガー」のような言葉が書かれていることがあります。こうした表示は「栄養強調表示」と呼ばれ、使ってよい基準が決められています。
「低い」「含まない」の基準の例
ガイドラインに載っている食品表示基準 別表第13 では、食品 100g あたり(飲み物は 100ml あたり)で、次のような基準値が決められています。
| 項目 | 「低い」旨の表示 | 「含まない」旨の表示 |
|---|---|---|
| 熱量 | 40kcal 以下(飲み物は 20kcal 以下) | 5kcal 未満(飲み物も同じ) |
| 脂質 | 3g 以下(飲み物は 1.5g 以下) | 0.5g 未満(飲み物も同じ) |
| 糖類 | 5g 以下(飲み物は 2.5g 以下) | 0.5g 未満(飲み物も同じ) |
| ナトリウム | 120mg 以下(飲み物も同じ) | 5mg 未満(飲み物も同じ) |
「高い」の基準の例
同じく別表第12 では、たんぱく質が「高い」旨の表示の基準値として、食品 100g あたり 17.0g(飲み物は 100ml あたり 8.5g)が示されています。表には、100kcal あたりの基準値も並んでいます。
基準は細かく決められているため、ここで紹介したのは一部です。ほかの項目や細かい条件は、消費者庁の資料で最新の内容を確認してください。
強調表示は、その商品がほかと比べてどうかを知る手がかりにはなりますが、食事全体の PFC バランスを決めるものではありません。記録するときは、強調の言葉より、枠の中の数値を使うのが確実です。
アプリで使うとき
アプリ「PFC Balance」では、「+ 食品を登録」から、表示の値を手で入力して食品を登録できます。表示にない項目は空欄のままにすると「不明」として扱われ、0 として計算されることはありません。食品の選び方の観点は、高たんぱく・低脂質の食材の選び方と、自炊で使いやすい食材の例も参考にしてください。
この記事の内容は一般的な目安です。医療・診断・治療の代わりではありません。